家族に反対された彼岸花をプランターで育てる|不吉な花の本当の姿とは

AI生成による彼岸花のイメージ 花と木
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彼岸花の一般的なイメージ
彼岸花のイメージ(AI生成)

こんにちは、しろまやーです。
今回は少し特別なテーマ――「彼岸花」についてお話しします。

筆者の家庭でも、この花を植えることをめぐって議論が起こりました。赤く燃えるような花姿が美しい反面、「不吉」とされるイメージが根強いからです。

しかし、本来の彼岸花は単なる忌み花ではなく、地域や宗教の文脈ではむしろ“慈悲”や“再生”を象徴する花として扱われてきました。この記事では、その由来と背景をたどりつつ、筆者が実際にプランターに植えた記録も紹介していきます。


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不吉とされるイメージの由来

日本で彼岸花が「不吉」とされるようになった理由には、いくつかの要因があります。

まず、彼岸花(リコリス・ラジアータ)はお彼岸の時期に咲くことが名前の由来です。秋のお彼岸に咲き誇る姿が、死者を弔う時期と重なったことから、「あの世とこの世の境を示す花」と見なされてきました。

さらに、球根には毒性があり、誤食すると危険なことから「死人花」「地獄花」などの別名も生まれます。

不吉な別名たち

彼岸花には、地域によって次のような別名が伝わっています。

  • 死人花(しびとばな):墓地の周囲に多く咲くことから。
  • 幽霊花(ゆうれいばな):白い花が夜に浮かび上がるように見える様子から。
  • 毒花(どくばな):球根にリコリンという毒を含むことによる。
  • 地獄花(じごくばな):炎のような赤色が地獄を連想させるため。

これらの名前はどれも“畏れ”の感情を込めた呼称です。
しかし、もともとはこの花を忌むためではなく、墓地や田畑を守るために植えられていたという実用的な背景があります。


本来の活用方法:防草と獣害対策

昔の人々は、彼岸花の毒性を知っていて、あえて墓地や田のあぜ道に植えていました。
球根の毒がモグラやネズミなどの害獣を寄せつけず、また地下茎の繁殖力で土を固定し、侵食を防ぐ効果があったのです。

つまり、彼岸花は「死を呼ぶ花」ではなく、「命を守る花」でした。
先祖の眠る場所を動物から守り、田畑の収穫を支える――そんな暮らしの知恵の象徴でもあったのです。


仏教における曼珠沙華という名

仏教では、彼岸花を「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」と呼びます。
サンスクリット語の Manjusaka に由来し、「天上に咲く花」「見る者の心を清める花」という意味があります。

経典『法華経』などにも登場し、天界から降る吉兆の花として描かれます。
つまり本来、仏教的には「めでたい花」なのです。

また、曼珠沙華は生と死の狭間に咲く象徴としても解釈されます。
地上ではお彼岸に咲く花ですが、仏教的には「迷いを断ち、悟りに至る」象徴でもあり、輪廻転生の境界を照らす光のような存在とされます。


外国でのポジティブなイメージ

近年、彼岸花は海外でも「mystical flower(神秘の花)」として注目されています。
赤い花弁が蜘蛛の脚のように広がる形から「Spider Lily(スパイダー・リリー)」と呼ばれ、再生・別れ・記憶など、詩的で哲学的な意味合いを込めて表現されることが多いです。

特に欧米では、墓地や死を連想するよりも、「生と死の美的対比」を象徴するアートモチーフとして人気があります。
インテリアのモチーフ、刺繍、タトゥーデザインなどでも見かけるようになりました。

海外で“Spider Lily”として親しまれる彼岸花のイメージ(AI生成)

アニメやポップカルチャーとの関係

近年、彼岸花は日本アニメやゲームでも頻繁に登場します。
たとえば、以下のような作品で象徴的に描かれています。

  • 『鬼滅の刃』:青い彼岸花が重要なキーアイテムとして登場。
  • 『東京喰種』:生と死、変化を象徴する背景として。
  • 『魔法少女まどか☆マギカ』:希望と絶望、犠牲と再生というテーマの中で、彼岸花のイメージがビジュアルモチーフとして用いられている。
アニメで親しまれている彼岸花のイメージ(AI生成)

『まどか☆マギカ』は、筆者にとても思い入れのある作品です。
作品内で描かれる“救済”と“再会”への想いは、まるで曼珠沙華の花そのもののように感じられます。

アニメで親しまれている彼岸花のイメージ(AI生成)
アニメで親しまれている彼岸花のイメージ(AI生成)

これらの作品では確かに“死”や“怨念”のイメージが強調されますが、それは物語のテーマ性による演出であり、花自体が「不吉」であるわけではありません。
むしろ、彼岸花が持つ“強い印象”が、人の感情の極限を映し出すモチーフとして重宝されているのです。


花言葉に込められた希望の意味

彼岸花には、色ごとに異なる花言葉があります。

  • 赤い彼岸花:「情熱」「再会」「また会う日まで」
  • 白い彼岸花:「思うはあなた一人」「あきらめ」

「再会」「思うはあなた一人」などの言葉は、永遠の別れではなく、再び巡り会う希望を示しています。
つまり、死を終わりと見るのではなく、次の命へのつながりを表現しているとも解釈できます。

こうして見ると、彼岸花の本質は「不吉」ではなく、人の生死観を美しく象徴した花だと感じられます。


家族との対話、そしてプランター植え

実は、筆者の家族や両親から「庭に植えるのはちょっと…」という反応がありました。
確かに墓地を連想させることや、昔からの言い伝えを考えると、抵抗があるのも理解できます。

そこで今回は、彼岸花悪いイメージを払拭するためにプランターで育てることにしました。
プランターであれば、地面に直植えせずに季節を楽しむことができ、家族にも安心感を与える妥協点になります。

今はまだ、芽が顔を出したばかり。どんな花を咲かせてくれるのか、これからが楽しみです。

そんな折、嫁まやーが「最近、道沿いに咲いている彼岸花が目に入るんだけど、改めて観ると本当に綺麗だよね」と話していました。
昔は怖い印象だった花も、見方を変えれば凛とした強さと美しさを感じる――その言葉に、筆者も背中を押された気がします。

プランターから芽を出す彼岸花
筆者のプランターで芽吹いた彼岸花。まだ花はこれから

AI生成画像の活用について

今回の記事では、筆者の手元にある写真が芽の状態のみであったため、
花の様子を伝えるために一部AI生成によるイメージ画を使用しています。

AI画像には、キャプションで「※AI生成イメージ」を明記しています。
読者の方に誤解を与えないよう、実写とAI画像の区別を明確化することを心がけました。


これから咲く花に寄せて

秋の彼岸に咲く彼岸花。
古くは「恐れられた花」だったかもしれませんが、
今、筆者の庭では「見直される花」として再び芽を出しています。

身近な存在として育ててみると、
その造形の美しさや生命力に、むしろポジティブなエネルギーを感じます。

次回は、実際に花が咲いたら改めてその様子を記録し、
「咲いた彼岸花の美しさ」と「家族の反応」をテーマにお届けする予定です。


次回も、筆者のくらしの緑からお届けします。

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